前回の記事に関連し、ベネッセ教育情報サイトに「双子の子育て 大変なのはいつまで?」という記事を見つけたのでご紹介します。2013年の記事ですが、内容は今の自分の体感とほぼ変わりませんので十分参考になるかと思います。
こちらの記事の中にあるアンケート回答者のコメントの中で、私が自分の体験と照らし合わせ、その大変さに共感できた内容を3つ抜粋しました。
① とにかく初めの1年は過酷、夜泣きがひどくて睡眠不足。2時間以上寝た記憶がありません。
② 病気は一人がかかると、もう一人も必ずかかります。
③ 注目されやすくて困る。
前回の記事でタイトルにしたくなったくらいに私の中で大変だったことと同様の意見があったので①として紹介しました。しつこいですが、本当に最初1年目は大変です!遠慮なんて一切せずに周囲の全てに頼って踏ん張ってください!!
ちなみに、2018年に起こった三つ子虐待事件を覚えていらっしゃいますでしょうか。当時、双子育児に疲弊していた私と妻は共に、この事件に非常に大きなショックを受けたことを鮮明に覚えています。ざっくり言えば、三つ子育児でうつ病の状態となっていた母親が泣き止まない次男に苛立ち、自宅の畳に2回叩きつけ、脳損傷により死なせてしまったという事件です。私がなぜこの事件に大きなショックを受けたかというと、私自身が同様の加害者になっても何もおかしくないと感じ、心底怖くなったからです。双子を妻と2人で育てていてこんな気持ちになっているのに、3人を24時間休みなく育てなければいけないのはどれ程までに過酷なことか、それは想像を絶すると思います。
多胎育児は本当に大変です。私自身もそれを骨身に染みて感じています。だからこそこれから多胎育児が始まる方々に訴えたいことは、先ほども書いた通り、遠慮なんてせずに周囲の全てに頼って!ということなんです。そして父親の皆様はこの時期は最優先で奥さんを助けてあげてください!仕事があるのはもちろん分かりますが、父親は育児と仕事で切り替えができますが、母親は気持ちの切り替えが一切できず、24時間育児から逃げられません。そんな環境で自分の全てを投げ打って育児と向き合あわれる世の母親の皆様は本当にすごいです。
あと、父親の皆様は奥さんを褒めてあげてください。育児のがんばりを認めて労ってあげてください。育児って人生における多くのイベントの中でも本当に大変な部類です。にも関わらず、みんなやってるという理由でなかなかその苦労を認めてもらえないんです。もちろん給料も出ないですし、育児は母親がやって当然と思われがちなんです。だからこそ、最も近くでそれを見ている旦那さんだけは奥さんがすごいことをやっているんだ、頑張ってくれているんだ、と承認してあげてほしいです。
私がこれに気付いたのは双子が産まれて自分が育児参加した時です。長男が小さい時は正直なところ、母親がやって当然、自分は育児を手伝っているという感覚でした。父親でこの「手伝っている」という感覚を持ってる方、例えば奥さんに「何か手伝うことある?」と聞いてしまっている方は要注意です。自分の子供の育児なのに「手伝う」と言ってしまう時点でどこか他人事として見ていると感じられます。自分はそんなことないです!という方もいるかと思いますが、少なくとも母親側からはそう見えてしまうフレーズなのでお気をつけください。そしてそれが自分の育児に対する意識を見直すきっかけになるのならば幸いです。(普段から育児に積極参加するという行動で示せている父親なら細かな言葉尻なんて気にする必要はないと思いますけどね。)
父親として私自身が事前にやったことは、当時コロナも無かった頃、まだ社内でほぼ誰も使っていなかった在宅勤務を申請し、家から仕事をしつつ育児もできる環境を整えました。(育休が使えればベストだったのですが残念ながらそれは無理でした。)
妻の実家から我が家まで車で1時間半くらいの距離があるのですが、義母には毎週泊まり込みで育児を助けていただきました。私自身の実家は高速を使っても4時間くらいかかる上、両親はまだ現役で共働きをしていたので助けてもらうこと自体に現実味がなかったのですが、妻が退院後2週間ほど実家に帰省するタイミングに合わせて母親が2週間まとめた有給を取ってくれて、私が出勤している間、長男の保育園の送迎や食事など、泊まり込みで本当に色々な支援をしてもらいました。今となっては妻と私の二人でなんとか育児を回せるまでになりましたが、それまでは本当に多くの人に助けてもらいました。それが無かったら今頃どうなっているのか想像もつきません。
また、仮に私のように身内に支援を得ることができないという場合でも、役所に相談すれば助けになってもらうことも可能です。例えば大阪市の支援ならば以下のイラストのようなサポートを提供されています。市町村によって多少内容は異なるかもしれませんが、どこでも何らかの相談は受けてもらえると思いますので、使えるものは全て使い倒しましょう!!!
次に②の「病気は一人がかかると、もう一人も必ずかかります。」は、まさに言葉の通りです。もう少し補足すると、我が家では双子のみでなく長男も一緒に感染し、油断したら私も妻も感染するという家庭内パンデミックが普通に起こります。特に、母親が感染してしまうと一気に家庭内が回らなくなります。ですので、普段から母親の寝不足を少しでも解消して免疫力が落ちないようケアしてあげてください。母親が病気にかかると本当に日頃から自分(父親)がどれだけ家のことで助けられているかを痛感すると思います。
そうは言ってもやはり病気になる時はなってしまいます。そうなった時のために絶対にやっておくべきなのが、当たり前ですが日常から全ての育児に参加しておくことです。お風呂と寝かしつけだけ担当!みたいな分担もあるかもしれませんが、自分が気付いたことは全部自分でやるという気持ちを持っておけば、母親がダウンした時に自分ひとりでなんとか回すことも可能です。それができないと、母親は熱にダウンしてうなされながらも父親に逐一指示をし続けなければならないという拷問のような状態になりかねません。多少雑でもいいので、一通りなんでもできる状態にしておくことがおすすめです。
そして③の「注目されやすくて困る。」ですが、これ本当に注目されます。私自身、見た目も普通、性格も(自称)温厚、飛び抜けて際立つようなスキルもない、目立ちすぎることをやるのもあまり好きではない、という性格なので、これまで目立つこと自体がほぼありませんでした。ただ、双子のベビーカーを押しながら長男と手を繋いで散歩してるとまあ普通に目立ちます。周囲から視線ビンビンです。そしておばあちゃんからびっくりするくらい声かけられます。ちなみに先日、近所の公園にて長男がその場で出会った男の子と仲良くなって遊んでたんですが、一緒にいたその子の父親がこちらを知っていたことが後から発覚しました。『周囲の人なんて自分が思うほど自分のことに興味はない』と普段から考えている私ですが、そもそもが思った以上に目立つみたいです。(笑)
さて、ここまで大変なことばかり書きましたが、決して育児は大変なことだけではありません!頑張った分、ちゃんとそのご褒美を子供達は両親にプレゼントしてくれるんです。記事の中で私が共感できた嬉しかったことを3つ抜粋します。
・「かわいい」と言われることが多い。
・一人が笑うと、もう一人も笑う。
・とにかく、かわいい。
かわいいは正義です。どんだけきつい育児が続いていても、僅かにかわいい瞬間が垣間見えただけで自分の体力が全快になります。あいつら絶対ベホマ使ってます。目の前にいる赤ちゃんは本当にかわいく見えますよね。自分の子供に対して「この子、世界一かわいいんじゃね!?」と、いつも思っていました。なお、うちの子が0歳の頃の写真を今見ても当時のようにかわいいとは全く思えないから不思議なもんです。
本記事の中には父親の育児参加ということにも言及されていますが、私の場合、育児参加を積極的にやろう!と思ったわけではなく、自分も育児参加しないと家庭崩壊するという危機感から育児を自分のこととしてやるようになりました。
ちなみに私、長男の時はほとんど育児をしていませんでした。ミルクの作り方もオムツの替え方も分かっていませんでした。保育園の送迎とは、単純に 子供を連れて行くだけ&引き取るだけ だと思っていました。今思うと本当に酷いもんです。ただ、それに対して妻は「仕事してくれてるから」という引け目から手伝ってほしいと強く言えなかったという話は双子育児をする中で初めて教えてくれました。
仮に双子が産まれなかったら私は「育児」を一生することがなかっただろうと思います。妻の苦労を自らの肌身で感じ、それを妻と私で共有するという感覚を持つこともなかったはずです。育児をさせてくれた双子に心から感謝しないといけないと思っています。
ちなみに、『「夫の育児サポート」と「夫婦関係」には正の相関が認められた』という研究結果も出ています。(要は、父親が育児をすればするほど夫婦が仲良くなるよ!という内容。)子育て期間なんて本当に大変なのは最初の数年くらいです。そこで父親として全力で育児に取り組むことで、その後数十年の夫婦関係が良好になるわけですので、その観点でも父親の育児参加はおすすめです。
ただ、そうは言いましたが、そもそもの話として育児ができることの幸せという価値観があると理解できれば、大変ではありますがきっと乗り越えられると思います。
育児には必ず終わりがあるというのは事実です。それまでの期間、楽しめるところは楽しみつつがんばりましょう!!!
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